蜘蛛と箒企画|連続講座「ヘアとヌード」 講師:遠藤麻衣+百瀬文

ヘアとヌード
講師:遠藤麻衣+百瀬文


【講座の概要】
前期では、ディスカッションやドローイング制作を通して、なにかを作ろうとする際に生じる「わたし」の欲望を言語化してみるエクササイズを行いました。遠藤麻衣と百瀬文のペアで行われる後期では、自分ではない誰かにとっての「わたし」=「他者」の欲望を想像し、表象し直すということを、人々との関係性の中で実践的に行います。
ここでは、自分の生の身体を通して近接しようとする、二つの奇妙なワークショップを提案してみようと思います。「ヘア」と「ヌード」というキーワードを通して、性別を超えて交換可能な経験を全員で共有することを試みます。
参加した人の気持ちや行動でこの場所の雰囲気が決まるような、そんな身体的知覚を何より尊重したいと思います。

【各回の概要】

1.ヘアのスタイル(第1回、第2回|講師:遠藤麻衣)

体の中で、形が変わりやすく、また変えやすい部分が髪です。髪は、体であると同時に、様式的な表現(スタイル)としても評価されます。顔のラインなどの身体的な特徴を隠すヴェールとして機能することさえあります。 第1回目では、1人のヘアスタイルを複数名で計画するグループワークを行い、授業時間外に美容室で実現してもらいます。第2回目には、ヘアスタイルとプロセスについて、グループごとに発表します。結果だけでなく、プロセスにおける機微へ目をむけます。 誰かを変えてしまうこと、誰かに変えられてしまうことの負荷は小さくありません。みんなでダンスをするように提案や交渉を重ねられる場を作るために、どんな意識を持てばよいのでしょう。そのことを、ディスカッションとスタイリングを通して考えてみてもらいます。たとえば『クィア・アイ』(Netflixが制作するリアリティショー)のように。主人公たちは、ポライトネスをもって、寝室のインテリアや家族のために作る料理などの個人的なスタイルを共有し make better していきます。倫理的なモデルは、こうしたポップ・カルチャーの中に見つけることができるかもしれません。 ところで、なぜあなたやわたしには髪型があるのでしょう。あなたは、普段どのくらい髪型を意識して生活していますか。髪は生理現象、様式、欲望、信仰、規制などがせめぎ合う場所として、頭の上に取り残されています。


2.撮れなかったヌード(第3回、第4回|講師:百瀬文)

 現代においては、「わたしの体はわたしのものである」「あなたの体はあなたのものである」という倫理観を共有したうえで、ヌード写真は常にそこへの交渉というかたちで撮影されている、ということになっています。
 このワークショップでは、授業時間外で、あなたの家族や友人などの周りの人に、「あなたのヌードを撮影させてもらえないか」という交渉を実際にしてみてもらいます。
 あっさり、いいよと言ってもらえるケースもあれば、「それはちょっと……」と断られるケースもあるでしょう。このワークショップでは、その「無事に撮影できた」ヌードのイメージは扱いません。「それはちょっと……」と言われてしまい、撮れなかったヌードについて、その人との対話の中でどのような気まずさが生じ、どのような理由が語られたのかということを考えてみる。あるいは、その「気まずさ」というのが、いったい何に由来するのかということを考えてみる。
 最終的には、その交渉の末に「撮れなかったヌードの代わりに撮影されたイメージ」と、実際におこなわれた対話にもとづいた「撮れなかったヌードのためのテキスト」を提出してもらいます。対話中で出てくる人名は、すべて仮名で扱うことを条件とします。


※本講座の制作費は自己負担となりますので、あらかじめご了承ください。

【講師プロフィール】
遠藤麻衣

1984年生まれ。東京藝術大学美術研究科博士後期課程在籍。俳優、美術家。演劇、映像、写真などメディアを複合的に組み合わせて作品を制作している。《アイ・アム・ノット・フェミニスト!》(Goethe-Institut Tokyo、2017)では、婚姻契約という形式をとり、自身の結婚式をFestival/Tokyo 17の演目として上演した。その他、近年の主な発表に「MOTアニュアル2016 キセイノセイキ」(東京都現代美術館、2016)、《コンテンポラリーへびんぽじゃじゃりの引退》(hym、2018)、《Stilllive》(Goethe-Institut Tokyo、2019)。また、最近の出演に岸井大輔「始末をかく」(2013~2018)、指輪ホテル「バタイユのバスローブ」(2019)など。丸山美佳と「Multiple Spirits(マルスピ)」(2018-)を創刊。 http://maiendo.net

 

百瀬文

1988年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科修士過程修了。アーティスト。パフォーマンスを記録するための方法として映像を用いはじめ、身体と声、映像と声の関係性を問うような作品を発表している。近年の主な個展に「Borrowing the Other Eye」(ESPACE DIAPHANES、2018年)、「サンプルボイス」(横浜美術館アートギャラリー1、2014年)、主なグループ展に「六本木クロッシング2016展: 僕の身体、あなたの声」(森美術館、2016年)、「アーティスト・ファイル2015 隣の部屋――日本と韓国の作家たち」(国立新美術館、韓国国立現代美術館、2015-16年)、「戦争画STUDIES」(東京都美術館ギャラリーB、2015年)などがある。

※本講座は原則4回連続で参加できる人を対象としていますが、「ヘアのスタイル」か、「撮れなかったヌード」のいずれか(各2回)を受講することも可能です。なお本講座は、1回のみの受講はできません。

※募集は終了しました。


開催日 第1回 11月23日(土)、第2回 12月14日(土)、第3回 1月11日(土)、第4回 2月8日(土)
開催時間 19:00-21:00(延長の場合は21:30)
受講費 全4回受講(1講座120分×4回)8,000円

〈各回の個別受講の場合〉
1~2回受講の場合は、1講座につき2,300円(実費を含む)
3回受講より1講座2,000円。

〈複数講座をご受講に際しての割引〉
2講座受講 15,000円、3講座受講 22,000円、4講座受講 29,000円、全講座受講 35,000円
開催場所 武蔵野プレイス
(武蔵野市境南町2-3-18 tel 0422-30-1905
アクセス:JR中央線・西武多摩川線「武蔵境駅」南口下車、徒歩1分)
入会費 年間1,000円。受講のためには入会が必要となります。有効期間は19年度になります。
他の蜘蛛と箒のイベントで割引制度を設ける場合があります。
定員 15名程度
申し込みフォーム https://form.os7.biz/f/9f809944/
※自動返信メールではありませんので、返信が遅れる場合がございます。

講座に関する質問などは下記までお問い合わせください。
Email:aslspbank@gmail.com

 

 

 

 

 

蜘蛛と箒

蜘蛛と箒(くもとほうき)は、 芸術・文化の批評、教育、製作などを行う研究組織です。

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