蜘蛛と箒noteをローンチします。
世界が大きく変化する今、アートや批評の言葉は日常をとらえ直す手がかりになるはずです。
「蜘蛛と箒note」では、アーティストや批評家、研究者がそれぞれの視点から記事を執筆し、日常的なノートの軽やかさと批評的な洞察を行き来します。
メンバーシップ「蜘蛛と箒通信」では、11人の執筆者による月8本程度の多彩な記事を定期的にお届けします。
蜘蛛と箒通信
https://note.com/kumotohouki_rg/membership
不安定な世界と批評の必要性
AIの目覚ましい発展と普及、戦争や新しい政治体制、気候変動などにより、世界情勢は不安定化し、短期的な未来すら予測困難な状況にあります。大げさではなく、「人間」という概念そのものへの認識も、この10年で大きく変化することは避けられないでしょう。そのなかで、近代を通じて確立されてきた人間の尊厳や民主主義を持続させるためにも、批評的・制作的な実験精神は、多くの人々にとって不可欠なものになっていると考えます。
蜘蛛と箒noteの始動
蜘蛛と箒はこれまで、アーティスト、批評家、研究者らとともに講座、配信、出版、プロダクト制作などを企画・主催してきました。そして、新しい批評文化を築くため、このたびnote上で新しいアートメディア「蜘蛛と箒note」を2025年9月にローンチすることにしました。
批評と創造のプラットフォーム
蜘蛛と箒noteでは、アーティスト、批評家、研究者らによる執筆メンバーが、美術を中心に芸術・文化・批評・制作に関わるテーマを自由に扱い、日記や制作ノート的な軽やかさと批評的な洞察を両立させた記事を、noteの有料メンバーシップ「蜘蛛と箒通信」で発信します。蜘蛛と箒通信では、制作と研究を横断し、11人の執筆者( 石川卓磨、勝俣涼、近藤愛助、佐藤純也、 佐藤麻衣子、関貴尚、髙嶋晋一、中島水緒、長倉友紀子、原田遠、渡辺泰子 (50音順))による月8本程度の投稿をお届けします。
このメディアはこんな人へ
本メディアは、美術館・ギャラリーに足を運び批評的視点を楽しみたい読者、美術系大学の学生・若手アーティスト・研究者志望者、現代アートや文化論を日常の言葉での理解を求める層、海外留学・海外美術に関する情報を求める方、デザイン・建築・映像・文学など隣接分野から現代美術に関心を持つクリエイター、そして執筆者の活動や視点を継続的に追いたい読者を主な対象とします。
文字文化を継承するために
蜘蛛と箒はこれまで「日々美術」というPodcastとYouTubeの番組を制作・配信してきました。音声や動画コンテンツが急速に発展・普及するなかで、私たちが文章を中心としたメディアを始動するのは、文字文化がもつ構築力と豊かさをあらためて確認し、人々が文章から考え学ぶ習慣を失わせないためです。
自律的な視点からの批評
ここでは、執筆者それぞれの関心や問題意識に根ざした主体性と自律性を重んじます。広告や広報とは異なり、自律的な視点と批評性をもって取り組むことを大切にしています。掲載するのは、メディアからの依頼に応じた受注的なレビューではなく、プロフェッショナルな批評家が自らの判断で選び取った展覧会についての批評的レビューです。
実験的プロジェクトとしての意義
文章メディアが現在性と向き合いながら、新しい知性や新しい風景をいかに創出できるかを問う実験的なプロジェクトになります。また、有料会員制の展開は、未来の批評文化を築くために、執筆の社会的価値を経済的価値としても示す必要があると考えています。
メンバーシップの意味
なぜ定期購読ではなくメンバーシップなのか。単に一方向的な提供にとどまらず、購読者と執筆者が心理的安全性を保ちながら、美術や批評に継続的に学び、触れ、実践し続けられるコミュニティを、ともに形成していくためです。
ご支援のお願い
充実した執筆者による批評的・制作的な記事を読むことは、漠然とした社会的空気に流されるのではなく、歴史を学び、主体的に思考するために大いに役立つはずです。また、そのような批評文化の存続を支援していただくために、有料会員としてご参加いただければ幸いです。