活動記録2016:蜘蛛と箒企画 石川卓磨ゼミ

蜘蛛と箒企画

石川卓磨ゼミ

「芸術のこれからとここから|作品を作る/語るための方法と理論入門」

(全4回)

第1回|2016年8月20日[土]
小さい単位から考え始める|分析の時間

第2回|2016年8月21日[日]
環境を幾何学する|批評の時間

第3回|2016年8月27日[土]
フィクションを構築する|想像力の時間

第4回|2016年8月28日[日]
発明的な思考と方法|構想力の時間

 

“新しい世界観を獲得するための方法論や可能性を検討しながら、構想力を手にいれる”

本ゼミでは、レクチャーとワークショップを基本とし、身近なところから抽象的な思考を引き出し、抽象的な思考から具体的なアイデアを形作っていく過程を解き明かします。さらに、絵画、彫刻、映画、写真、広告やプロダクトなど芸術・文化の諸ジャンルを横断しながら、広い視野を持って問いやアイデアを組み立てられるようになるプログラムになっています。

  • 美大・藝大生や卒業生で、作品を組み立てる思考法や語るための技術を得たい人
  • これまで専門的に美術を学んではないが、美術を始めたい、知りたい人
  • 美術史や芸術の創造的思考法を学んで、(美術以外の)制作や思考に活かしたい人

を対象にしてます。
ワークショップは、実技指導を目的にするものではなく、作品の見る・考える力を養うものですので、特別な技術や道具などは必要としません。

————芸術が持っているクリエイティブ思考の基礎を学ぶ。————

 

ぼくが美術を始めた90年代後半よりも、現在は美術と社会の距離感はずっと近くなり、より直接的な関係を持つようになりました。それはソーシャル・メディアを中心に加速している情報環境の変化、震災やグローバリズムによって顕在化した差別やテロリズムと不安定で不平等な経済状況、そして政治的力学の強硬化が大きな要因となっていると見ることができるでしょう。

美術と社会の距離感の変化については、二つの特徴を指摘することができます。一つは、美術で養われてきた方法や実験が、意識的・無意識的、直接的・間接的に社会の中のさまざまな場所で拡散的に利用をされるようになったことです。そのため現代は誰もが美術的な活動や思考に関わる可能性を持った社会にあるといえます。
もう一つは、作品や活動の試みが、文化・芸術的な文脈や造形的な目的よりも、社会学やジャーナリズム、社会運動のようにダイレクトに社会、地域、共同体をテーマにして行われるようになったことです。

これらは、ポスト・インターネット、ソーシャリー・エンゲイジド・アート、スペキュラティヴ・デザイン、芸術祭による地域振興などが生み出されている背景にもなっています。このような現在の状況は、作家の活動を美術界の閉鎖的な環境から解放し、社会全体の動きと芸術活動が連動するものにしました。
しかしさまざまな形で拡散を強める美術(アート)の多様化は、必ずしも美術(アート)の考えが日本の社会に浸透したこととイコールであるわけではありません。美術(アート)はある部分で内側の思考を失い、それぞれの活動が分断され、空疎化しているところもある。さらに、美術(アート)は社会的な要請や状況に関わろうとするあまりにモノのへ思考やモノの権利が希薄化し、人間中心主義的な認識の外部を示せなくなってきています。
また、インターネットとリアルの区別がなくなり、シームレスな情報化社会の成立が指摘されるようになりましたが、(確かにインターネットの社会への浸透が小さな変容ではないのですが)、それに対する過大評価は楽観的な誤謬を孕みます。なぜなら、インターネットの中の現象や出来事は変化が早く、あらゆるものが一過性のものとして流されてしまうからです。そして、世界にはいまも地政学的な距離の問題が大きく存在しており、現実を動かす/認識しようするときに、インターネットが全面的に有効であるわけではないからです。

このゼミでは、長期的なスパンで物事を見る目を育て、どのような表現形式を採用するにせよ、美術という領域を外しても考えることのできる芸術的思考(自立的な思考)を得ることを目的とします。少し大げさにいうのではあれば、レオナルド・ダ・ヴィンチ、パブロ・ピカソ、マルセル・デュシャンのように、作品制作や観察を通して社会に通底する視座を獲得し、新しいヴィジョンを創造する構想力を手にいれるための準備に取り掛かりましょう!

開催詳細

講座名 :石川卓磨ゼミ「芸術のこれからとここから|作品を作る/語るための方法と理論入門」

開催場所:武蔵野プレイス
「武蔵境駅」南口下車、徒歩1分

開催日時:第1回|2016年8月20日[土]19:00〜21:30
講義室:武蔵野プレイススペースE
開場時間:18:40

     第2回|2016年8月21日[日]19:00〜21:30

講義室:武蔵野プレイススペースC
開場時間:18:40

     第3回|2016年8月27日[土]19:00〜21:30
講義室:武蔵野プレイススペースE

開場時間:18:40

     第4回|2016年8月28日[日]19:00〜21:30
講義室:武蔵野プレイススペースE

開場時間:18:40

講師  :石川卓磨(美術家/美術批評)

定員  :最大15名

受講料 :7500円(全4回)※4回まとめて申し込む方優先。1回のみ受講の場合は2300円※募集は終了しました。

 

申し込み・お問い合わせ先

aslspbank@gmail.com

※申し込み時にはお名前/メールアドレスを明記下さい。

上記のメールアドレス宛にお申込みください。その後、振込先や事前確認アンケートなど詳細のメールを送信いたします。※事前確認アンケートを見て講義内容を調整します。

※ご参加される方それぞれが各自のお名前で個別にお申込み下さい。

※受講資格はとくにありません。

※電話による申し込み・お問い合わせは受付けておりません。

蜘蛛と箒

蜘蛛と箒(くもとほうき)は、 芸術・文化の批評、教育、製作などを行う研究組織です。

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