蜘蛛と箒企画|連続講座「インターナショナル・アート・スタディーズ」 講師:石川卓磨
インターナショナル・アート・スタディーズ 講師:石川卓磨
【講座概要】
『インターナショナル・アート・スタディーズ』は、日本とは異なる歴史や環境に身を置いて活動している者たちの経験や思考を通して、いま世界で起こっていることや、各国の特殊な背景を学んでいく講座です。前期では、海外(イギリス、アメリカ、ドイツ、エストニア)に移住し活躍している作家たちを毎回ゲスト講師に招いてレクチャーを行い、最後は日本と南北のコリアの関係をテーマに講座を行いました。
後期は、別の角度からレクチャーシリーズを行います。(本講座はNetflixのドキュメンタリー番組『シェフのテーブル』を参照しているので、「後期」より「シーズン2」と考える方がより的確です)ゲスト講師には、第1回丸山美佳(美術批評、キュレーター、http://www.mika-maruyama.com//オーストリア)、第2回手塚愛子(美術家、http://aikotezuka.com/ja//ドイツ)、第3回井上康彦(美学、表象文化論、https://researchmap.jp/inoueyasuhiko//メキシコ)、第4回田坂博子(『恵比寿映像祭』キュレーター、東京都写真美術館学芸員)を予定しています。批評家、美学者、キュレーター、作家という異なる職能や立場のゲスト講師を招いて、彼らの活動や研究から複数の国の芸術・文化・歴史をつないで考えていく連続講座です。
本講座の目的は、欧米を仰ぎ見ることでも、欧米の多様性を羨望することでもありません。日本の外で生きること、日本の外からの眼差しを知ることで、日本の中にある膠着した観念を解きほぐし、日本の中にもすでに存在している多様性や可能性を理解することにつながります。
実践的な経験も十分に学べるので、海外への留学や活動を考えている人、国外の美術の状況を知りたい人はもちろんですが、美術に詳しくなくても世界各地の多様な文化や状況などを学びたい人にも楽しむことができる内容になっています。
実践的な経験も十分に学べるので、海外への留学や活動を考えている人、国外の美術の状況を知りたい人はもちろんですが、美術に詳しくなくても世界各地の多様な文化や状況などを学びたい人にも楽しむことができる内容になっています。
【各回の講座概要】
第1回 ゲスト講師:丸山美佳
「規範」とは何か:オーストリアから考える敷居のまたぎ方
自分たちがいったい何を「規範」や「共通基盤」と捉えているのか。複数の文化を行き来しながら芸術活動をするときに持つ緊張関係など、オーストリアという場所や経験から考えていることについて。
第2回 ゲスト講師:手塚愛子
協働して作りあげる
今回の講座では、私が普段どのようにして他人と協働しながら作品や展覧会を作っているのかに焦点を当ててお話しさせていただきます。 私は現在ベルリンで制作活動を行い、主にヨーロッパ各地と日本、たまに東南アジアの地域で展覧会を行なってきました。制作活動と展覧会開催において関わる人たちは多岐に渡りますが、今回は大きく「マネジメント」と「プロダクション」の二つのカテゴリーに分け、どのような人たちとどのように仕事を進めていくのかをお話しします。様々な価値観とスキルを持つ人たちとともに、自分の理想とする作品と展覧会を仕上げていくためにはどのようなプロセスとその心得が必要なのか、私のこれまでの経験をみなさんに共有できたらと思っています。 「マネジメント」には、作家活動のプロモーションや契約、売買に関わること、また作品や展覧会のアーカイブと整理、展覧会を実際に遂行するにあたって必要になる事務仕事を指します。ここで関わる人たちは、コマーシャルギャラリー、美術館、インスティチュート、印刷物作成に関わる人たちとなります。 「プロダクション」は、実際の作品の制作に関わる人たちで、普段のスタジオの制作補助を依頼するアシスタント、発注として制作を依頼する技術者とその組織、またそのために必要になる資料とクレジットを提供してくれる相手などになります。 私のこれまでの経験が、これからみなさんが海外に出たときの活動に少しでも役立つことを願って、具体的なご質問にもお答えしたく思っています。
第3回 ゲスト講師:井上康彦
モダニズムとその外部――彼らはメキシコに何を見たか?
トピックは三つ。ひとつは拙訳書『独身者たち』と『Art Since 1900』について。ひとつはブニュエルや岡本太郎などメキシコと関わりの深い芸術家について。最後に大江健三郎や鶴見俊輔などが客員教授を務めたメキシコ大学院大学について話します。
第4回 田坂博子
実験の伝わり方――ニューヨーク州立大学(SUNY)バッファロー校のメディア研究の実践から
20世紀のアートのコミュニティの展開を考える時、1920〜30年代のバウハウス、1940年代のブラックマウンテン・カレッジを始め、教育と実践の場は常に重要な役割を担ってきた。1970〜90年代にトニー・コンラッド、ポール・シャリッツ、スタイナ・ヴァスルカ、ウディ・ヴァスルカ、ペーター・ヴァイベルなどの実験映像作家やメディアアーティストたちの理論と実践の場となった伝説的なSUNYバッファロー校の事例から、アートの実験が、どのように伝播したのか、その可能性について考えたい。
【講師プロフィール】
石川卓磨
1979年生まれ。武蔵野美術大学大学院造形研究科卒業。美術家、美術批評家。主な評論に「カエサルのものはカエサルに!――鈴木清順における「ルパン三世」と「浪漫三部作」」(『ユリイカ2017年5月号 特集=追悼・鈴木清順』、青土社、2017)、「ポストアプロプリエーションとしての写真」(『カメラのみぞ知る』[図録]、ユミコチバアソシエイツほか、2015年)などがある。主な展覧会に「第9回恵比寿映像祭『マルチプルな未来』」(東京都写真美術館、2017年)、「教えと伝わり|Lessons and Conveyance」(TALION GALLERY、2016年)、AIRS企画vol.5石川卓磨「真空を含む」(国際芸術センター青森・ACAC AVルーム、2016年)などがある。
※本講座は原則4回連続で参加できる人を対象としていますが、1回から受講可能です。
開催日 | 第1回 10月27日(日)、第2回 12月8日(日)、第3回 2月9日(日)、第4回 3月1日(日) |
開催時間 | 18:30-20:30(延長の場合は21:00) |
受講費 | 全4回受講(1講座120分×4回)8,000円 〈各回の個別受講の場合〉 1~2回受講の場合は、1講座につき2,300円(資料印刷代300円を含む) 3回受講より1講座2,000円。 〈複数講座をご受講に際しての割引〉 2講座受講 15,000円、3講座受講 22,000円、4講座受講 29,000円、全講座受講 35,000円 |
開催場所 | 武蔵野プレイス (武蔵野市境南町2-3-18 tel 0422-30-1905 アクセス:JR中央線・西武多摩川線「武蔵境駅」南口下車、徒歩1分) |
入会費 | 年間1,000円。受講のためには入会が必要となります。有効期間は19年度になります。 他の蜘蛛と箒のイベントで割引制度を設ける場合があります。 |
定員 | 15名程度 |
申し込みフォーム | https://form.os7.biz/f/9f809944/ ※自動返信メールではありませんので、返信が遅れる場合がございます。 |
講座に関する質問などは下記までお問い合わせください。
Email:aslspbank@gmail.com