オンライン特別講座:丸山美佳「ニューサンス ——クィア・フェミニズムの芸術実践 2019-2020——」

蜘蛛と箒企画:オンライン特別講座|2020年11月22日(日)
「ニューサンス ——クィア・フェミニズムの芸術実践 2019-2020——」
講師:丸山美佳


クィア・フェミニズムに関わる、あるいはそう読まれてきた文化や芸術を扱った展覧会や作品が、どのような活動や言説と一緒に行われいるのかを考察するレクチャー。

 

【講座内容】
近年、日本のアートの言説においても「クィア」という言葉が浸透してきましたが、世界的に見れば芸術におけるクィア文化の文脈化や歴史化が進んだように見えます。このような背景を踏まえ、このレクチャーでは、「クィア」とは一体なんなのかーー「クィア」は何をするのかーー、ということも含めて、ここ数年に国外で行われたクィア/フェミニズムに関わる、あるいはそう読まれてきた文化や芸術のアーカイブ化、歴史化、文脈化のための展覧会がどのような活動や言説と一緒に行われたのかを見ていきます。
「クィア」という言葉を使うと、LGBTQI+といったジェンダーやセクシュアリティのアイデンティティとしてのみ受け取られがちですが、そうではなく、クィアという言葉がどのような不/可能性を含みながら、社会やテクノロジーと関連し、そして芸術に影響しているのかを実際の展覧会や作品を通して考察します。その際に、いわゆる西欧的な文脈とそれ以外との差異や、クィアという言葉だけでは包括できないインターセクショナルな問題がどのような形で関わっているのかも一緒に考えていきます。また、フェミニズムの動きとも切り離せないことから、フェミニズムの文脈も簡単に触れながら現代的な実践と繋がる活動を紹介します。レクチャーでは、クィア・フェミニズムと芸術を考える上での歴史的に重要な展覧会も参照しますが、主な展覧会は2019年(-2020年)に丸山が実際に観たものが中心になります。


参照する2019年に行われた展覧会例:
Neither Black / Red / Yellow Nor Woman(Times Art Center Berlin, ベルリン、2019)
ウー・ツァン個展: There is no non-violent way to look at someone (Martin Gropius Bau, ベルリン, 2019)
Kiss My Genders(Hayward Gallery, ロンドン, 2019)
カロル・ラヂシェフスキ個展: The Powers of Secrets (The Ujazdowski Castle Centre for Contemporary Art, ワルシャワ, 2019)
QueerArch (Hapjungjigu, 韓国, 2019)
History Has Failed Us, but No Matter.(ヴェニス・ビエンナーレ韓国館, 2019)
シュー・リー・チェン個展: 3 x 3 x 6 (ヴェニス・ビエンナーレ台湾館, 2019)
など…

 

【詳細情報】
開催日時:2020年11月22日(日)19:00-21:00(延長の場合は21:30)
料金:1,700円|年度会員の料金:1,500円
支払い方法:銀行振込もしくはPayPalになります。
オンラインで使用するアプリケーション:Zoom
定員:25名※事前予約制 
お申し込みは名前、人数、連絡可能なメールアドレスを明記の上
aslspbank@gmail.comにメールでのお申し込みをお願いします。
※自動返信メールではありませんので、返信が遅れる場合がございます。

 
 
丸山美佳/ MARUYAMA Mika 長野県生まれ。横浜国立大学修了、現在ウィーン美術アカデミー博士課程在籍。東京とウィーンを拠点に、批評家、キュレーター、編集者として活動。主な寄稿先に「artscape」、「美術手帖」、「Camera Austria」、「Flash Art」、主な展覧会に「When It Waxes and Wanes」(ウィーン、2020)、「Protocols of Together」(ウィーン、2019)、「Behind the Terrain」(ジョグジャカルタ、2016/ハノイ、2017/東京、2018)、「Body Electric」(東京、2017)などがある。2018年、遠藤麻衣とクィア系アートジン「Multiple Spirits(マルスピ)」を創刊。
 

蜘蛛と箒

蜘蛛と箒(くもとほうき)は、 芸術・文化の批評、教育、製作などを行う研究組織です。

シェアする